お金を借りる方法・無職に融資してくれる機関や状況別の利用法を紹介

お金を借りるには審査があり、なんらかの仕事についていないと借りられないのではないか、無職では貸してくれるところはないだろうと諦めている人は多いと思います。

しかし、無職でもお金を借りる方法は、実はいくつもあるのです。審査を受ける方法ばかりではありません。担保があれば収入がなくてもお金を借りることは可能です。また、仕事を失った人には公的支援もあります。

今回は、無職でもお金を借りられる方法を状況別にご紹介します。一口に無職といってもその人の状況はさまざまですし、お金を借りるために利用できるものもそれぞれでしょう。

今お金に困っていて、無職だけれどなんとかお金を借りたいと思っている人は、ぜひ参考にしてください。

  1. 無職でもお金を借りられるのか?「無職」の定義とお金を借りる3つの方法
  2. 公的支援は要件を満たせば無職でも借りられる
    1. 生活福祉資金貸付制度の総合支援資金は生活再建のための資金
    2. 臨時特例つなぎ資金貸付は振り込みまでが早い
    3. 職業訓練を受けている人は求職者支援資金融資制度が利用できる
  3. 担保があれば無職でもお金を借りることができる
    1. 生命保険の契約者貸付は解約返戻金を担保に融資が受けられる
    2. ゆうちょ銀行の自動貸付は定期貯金がある人が利用できる
    3. 質屋は担保になるものがあれば借りられる
    4. 不動産を担保にお金を借りるリバースモーゲージ
  4. 配偶者に収入があれば銀行カードローンの配偶者貸付で融資が受けられる
  5. 状況別・無職でもお金を借りられるケース
    1. クレジットカードのキャッシング枠を利用すれば一時的な金欠はしのげる
    2. 家族や友人に借りる
    3. フリーターなら消費者金融カードローンに申し込める場合がある
    4. 就職が内定していれば学生で無職でもお金を借りられる
  6. 無職でもお金を借りやすくするにはまず仕事を見つけよう
  7. 無職でお金を借りられないときにやってはいけないこと
    1. クレジットカードやキャリア決済の現金化は規約違反になる
    2. 闇金業者だけは利用してはいけない
  8. 無職でお金を借りることについてよくある質問とその回答(Q&A)
    1. 無職でもお金を借りることはできますか?
    2. 無職だといくらまで借りられますか?
    3. 無職が利用できる公的支援制度はありますか?
  9. 無職でお金を借りるなら公的支援を利用すると安心

無職でもお金を借りられるのか?「無職」の定義とお金を借りる3つの方法

まず、無職とはどういった状態のことを指すのでしょうか?

たとえば、厚生労働省の「人口動態職業・産業別統計の概況」によると、就業状態を調査するときに、収入が少しでもあれば「就業者」、それ以外を「無職」としています。

就業者 :収入を伴う仕事を少しでもした人(但し休業者を含む)
完全失業者 :収入を伴う仕事を少しもしなかった人のうち、仕事に就くことが可能 であって、かつハローワークに申し込むなどして積極的に仕事を探していた人
非労働力人口:収入を伴う仕事を少しもしなかった人のうち、休業者及び完全失業者 以外の人
本統計では、上記の就業者を「有職」、完全失業者と非労働力人口を合わせたものを 「無職」という。
引用元:令和2年度 人口動態職業・産業別統計の概況(付録)

つまり、自分で仕事をして収入を得ていない人が「無職」ということになります。

  • 失業中の人
  • 専業主婦(夫)
  • 学生(アルバイトなし)
  • ニート
  • 年金のみで生活している人
  • 生活保護のみで生活している人

などが無職の人といえるでしょう。

これらの無職の人たちがお金を借りる方法はあります。

  1. 公的支援を頼る
  2. 担保を元にお金を借りる
  3. カードローン

など、それぞれ解説していきます。

公的支援は要件を満たせば無職でも借りられる

公的支援とは国が行っている給付や融資のことで、仕事を失ったり、病気やケガで働けなくなったりした人を支援しています。

国の支援ももちろん審査があり、振込までには少々時間がかかりますが、安全であること、金利が低いことなどが大きなメリットです。

生活福祉資金貸付制度の総合支援資金は生活再建のための資金

低所得者世帯や障害者世帯が利用できる融資制度に「生活福祉資金貸付制度」があります。

仕事がなく、生活費や医療費などに困っているときに利用できる制度です。

貸付の種類がいくつかあり、そのうち生活費が足りないときに利用できるのが総合支援資金です。

貸付の種類 資金の種類 貸付金額 金利
総合支援資金 生活支援費 2人以上の世帯:月20万円以内
単身世帯:月15万円以内
※貸付期間原則3ヶ月、最長12ヶ月(延長3回)
連帯保証人がいれば無利子
いない場合は1.5%
住宅入居費 40万円以内
一時生活再建費 60万円以内
所得が低く、他の貸付を利用できない人を対象としており、経済的に自立することを目的として貸し出すものです。

ですので、ハローワークなどの支援を受けながら、これから仕事を見つけて頑張ろうと思っている人も融資を受けられます。

働く意思のあることが前提ですので、失業中の人は求職申込や職業相談をすることが必須です。

離職されているかたが総合支援資金を利用するには、まず、ハローワークへの求職申し込みと職業相談が必要です。まずは、ハローワークで求職登録を行ってください。
引用元:生活にお困りで一時的に資金が必要な方へ「生活福祉資金貸付制度」があります。 | 政府広報オンライン

仕事をしたいのになかなか見つからず、生活に困窮している人はぜひ利用してください。

相談・申し込みは市区町村の社会福祉協議会です。市区町村役場の中に窓口があることが多いので、わからない時は役所で聞いてみましょう。

臨時特例つなぎ資金貸付は振り込みまでが早い

臨時特例つなぎ資金貸付とは、現在仕事をしておらず、公的支援制度に申し込んではいるけれど、融資までの生活費も足りずに困窮している人に臨時に行う融資のことです。

上限は10万円で、連帯保証人は不要、無利子で借りることができます。現在申請している融資や給付が振り込まれたら返済します。

審査がスムーズにいけば、1週間ほどで振り込まれるでしょう。緊急を要するお金なので、公的支援の中でも比較的審査が早いです。

これも、相談・申し込みは市区町村の社会福祉協議会です。

職業訓練を受けている人は求職者支援資金融資制度が利用できる

求職者支援資金融資制度は、現在無職であっても、職業訓練を受けていて、職業訓練受講給付金を受けている、または受ける予定の人が利用できる制度です。

貸付額の上限は5万円または10万円×受講予定訓練月数です。

  • 単身者:5万円
  • 生計同一の配偶者、子、父母のいずれかがいる:10万円

担保も保証人も不要で、金利は3.0%と非常に低いのが特徴です。

ハローワークで要件の確認などを行った後に、労働金庫で融資を申し込みますので、労働金庫の口座が必要となります。

担保があれば無職でもお金を借りることができる

無職でお金が借りられない、審査に通らないと思っている人が多いですが、それは無担保・無保証人でお金を借りる場合です。担保があればお金は借りられます。

生命保険の契約者貸付は解約返戻金を担保に融資が受けられる

契約者貸付とは、生命保険を解約した際に支払われる解約返戻金を担保としてお金を借りる方法です。掛け捨てタイプの保険では利用できません。

返戻金の8割程度の金額を借りることができますので、返戻金が高いタイプの保険ほど、多く借りられます。

生命保険を解約する必要がないため、これまで通りの保障が続くのが大きなメリットです。

多くの生命保険会社ではWEBからの申し込みができるようになっており、申し込む時間によっては最短で当日中に振り込みしてもらえます。かんぽ生命の手続きの例をみてください。

パソコンやスマホで、どこでも、かんたんにお手続きできます。
最短で当日中※1に口座へお振込みします※2。
振込手続(当社からの送金依頼)完了後、メールでお知らせします。
貸付金のご返済、貸付期間の更新もマイページでかんたんにお手続きできます。
※1平日の9:00~13:59までにお手続きを受け付けた場合。
※2ご指定の口座の事情等で、お振込みできない場合があります。
引用元:契約者貸付のご請求|かんぽ生命保険

土日は対応外のことが多いので、平日に申し込みましょう。

貸付期間などは保険会社によって違いますので、返済方法を確認してから申し込むようにしてください。

なお、返済が終わる前に保険金を支払うべき事由が発生した場合、保険金が減額されてしまいます。万が一のための保険ですので、いつ何があるかわかりません。なるべく早く返済しましょう。

ゆうちょ銀行の自動貸付は定期貯金がある人が利用できる

ゆうちょ銀行に定期預金がある人は、その預金を担保にお金を借りることができます。

  • 担保定額貯金
  • 担保定期貯金

の2つが対象です。

残高以上の金額を引き出そうとしたときに、その不足分を自動的に補ってくれます。

たとえば、5万円必要なのに口座に3万円しかないとき、5万円と指定すれば自動的に2万円を融資してもらえるのです。

定期貯金という担保がありますので、審査はありません。貸付期間は2年間(2年以内に満期が来る場合はその満期)で、決まった返済日はなく、口座に入金することで、自動的に返済となります。

返済が終わる前に満期が来てしまうと、定期預金が払い戻されるときに未返済分が差し引かれてしまいます。早めに返済できるように、借りすぎには注意してください。

質屋は担保になるものがあれば借りられる

質屋は物を預けて、その価値に応じた金額を借りられるシステムです。ですから、担保として預けるものがあれば、審査なしで、すぐその場でお金を借りることができます。

万が一返済できなかったとしても、預けたものが戻って来なくなるだけですので、取り立てで嫌な思いをすることもないでしょう。

ただし、なんでも預けられるかというとそうではないことに注意してください。

質屋は不用品買取業者ではありません。金銭的に価値のあるものしか受け付けてくれないので、事前に確認してみた方が良いでしょう。

一般的には、

  • 宝飾品・貴金属
  • ブランドもの
  • カメラ
  • パソコン

など高価なものです。

不動産を担保にお金を借りるリバースモーゲージ

これは高齢者の方におすすめの方法ですが、今自分が住んでいる家を担保にしてお金を借りる「リバースモーゲージ」という方法があります。

借りたお金は、所有者が亡くなった時に一括で返済します。もし今65歳以上で、相続人たちの了承を得られるなら、検討してみる価値はあるでしょう。

配偶者に収入があれば銀行カードローンの配偶者貸付で融資が受けられる

専業主婦は、自分自身の収入がないという点で無職の扱いとなってしまい、消費者金融カードローンは利用できません。

しかし、配偶者貸付を行っている銀行カードローンなら、配偶者に安定した収入があれば申し込み可能です。つまり、無職でもお金を借りることができるのです。

たとえばイオン銀行カードローンは、利用限度額は低くなるものの、専業主婦でも申し込みができます。

ご本人さまに収入のない場合は、配偶者さまに安定かつ継続した収入が必要となります。
※ 専業主婦(夫)の方でご本人さまに収入がなく、配偶者さまに収入がある方のお申込みは限度額50万円までとなります。
引用元:カードローン |イオン銀行なら低金利、WEB完結、手数料無料!

すべての銀行で実施しているわけではないものの、ネット銀行などは比較的審査の間口が広い傾向にあります。

状況別・無職でもお金を借りられるケース

審査ありの方法も含めて、無職でもお金を借りることができるさまざまな方法をご紹介します。

クレジットカードのキャッシング枠を利用すれば一時的な金欠はしのげる

クレジットカードにキャッシング枠がついている人は、その枠内でお金を借りることができます。

キャッシング枠とは、ショッピング枠の範囲内で設定されている枠のことで、提携ATMでお金を引き出すことができるサービスです。

たとえば、利用限度額が50万円、そのうちキャッシング枠が10万円となっていた場合、ショッピングに使えるのは50万円まで、お金を借りられるのは10万円までのカードということになります。ショッピング枠が50万円、キャッシング枠が60万円というカードはありません。

あくまでもカードの限度額内で融資を受けますので、すでにショッピングで50万円使ってしまっていた場合はキャッシングは利用できません。

なお、クレジットカードもキャッシング枠も審査が必要です。無職になってからカードを作るのは難しいので、在職中に作っておくことをおすすめします。

家族や友人に借りる

家族や友人からお金を借りるなら、審査はありません。無職でも交渉次第では借りられます。

無職で、お金がない理由によると思いますが、事情を真摯に説明して、お金を貸して欲しいと頼んでみてください。

また、貸してくれたとしても、今後の人間関係を考え、必ず返済するようにしてください。

困っている時に助けてくれた人を裏切るようなことのないよう、借用書をきちんと作り、誠意のある対応が大切です。

フリーターなら消費者金融カードローンに申し込める場合がある

フリーターは定職についていない人という意味ですが、日雇いの仕事ばかりしていると無職扱いされてしまうこともあります。

ただし、継続してアルバイトをしていれば、消費者金融カードローンに申し込むことは可能です。

審査に通るポイントは収入の安定性ですので、正規雇用されていなくても、毎月定期的に収入があれば、お金を借りられる可能性があります。

就職が内定していれば学生で無職でもお金を借りられる

学生でアルバイトをしていない人でも、就職が内定していればろうきん(労働金庫)の内定者専用ローンを利用できます。

もちろん審査があります。今後の仕事が安定していると判断されれば、審査通過の可能性は十分ありますが、派遣社員や契約社員よりも、やはり正社員の方が有利です。

内定通知書など、働くことが決まっていることを証明できる書類、初任給でいくらくらいもらえるのかその見込みがわかる書類などを用意して申し込みましょう。

無職でもお金を借りやすくするにはまず仕事を見つけよう

無職の人は収入がないのですから、担保がない限りお金を借りることはできません。

無担保・無保証人でお金を貸すのは、その人に社会的な信用があるからです。個人の信用を頼りにお金を貸すので、必ず返済してくれるだろうという判断ができなければ審査は通らないのです。

ですので、今無職の人がお金を借りやすくするには、とりあえず働くことが重要です。

なにも、正社員として就職する必要はありません。アルバイトから始めてみましょう。

最近ではアルバイトを見つけるアプリも充実しています。面接なしで申し込めるアルバイト先も増えていますし、まずは単発のアルバイトから始めてみるのもいいかもしれません。

カードローンなどでお金を借りるには安定した定期収入が必要です。少なくとも半年くらいは継続して働いて、申し込み要件を満たすようになれば、お金は借りやすくなります。

無職でお金を借りられないときにやってはいけないこと

無職ですとお金を借りられる先も限られてきてしまうため、どうにか借りる方法はないかと焦ってしまう人もいます。

しかし、以下のような方法は避けてください。

クレジットカードやキャリア決済の現金化は規約違反になる

クレジットカードの現金化とは、クレジットカードでショッピングをして、購入した物を売って現金にすることをいいます。

購入した物を売ること自体はなんら悪くないのですが、売る目的で購入するのは、クレジットカードの利用規約に違反します。

キャリア決済によって購入した物を売る行為も同様で、最初から現金化するために購入するのは規約違反となります。

規約違反であると判断されれば、クレジットカードやキャリア決済が使えなくなることもあります。

闇金業者だけは利用してはいけない

闇金業者とは法外な金利を請求し、違法な取り立てを行う業者のことで、絶対にお金を借りてはいけない相手です。

無職でも借りられるなどと宣伝しているかもしれませんが、収入のない人にお金を貸してくれる貸金業者はいないのです。

違法な業者からお金を借りると、職場や家に取り立てにくるなど、私生活もおびやかされてしまいます。

金融庁でも注意喚起を行なっており、絶対に利用しないよう呼びかけています。

貸金業を営む者は、主たる営業所等の所在地を管轄する財務局長又は都道府県知事の登録を受けなければならないこととなっています。借入れをする場合には、当該業者の登録の有無を確認し、登録の確認ができない業者からは、絶対に借入れしないで下さい。
引用元:違法な金融業者にご注意! : 金融庁

公式サイトでは貸金業者を装って営業する違法な会社名を公表していますので、参考にしてください。

借入先に困ったら、闇金業者を利用するのではなく、公的支援を頼るようにしてください。

無職でお金を借りることについてよくある質問とその回答(Q&A)

無職でお金を借りる方法などについて、よくある疑問や質問とその回答についてまとめました。

無職でもお金を借りることはできますか?

無職でもお金を借りることはできます。

まず、仕事を失った人、仕事が見つからなくて困っている人には生活福祉資金貸付制度があります。

低金利もしくは無利子で、利用目的にあわせて借りることができます。

また、担保になるものがあれば質屋やゆうちょ銀行の自動貸付、生命保険の契約者貸付なども利用できます。

カードローンは仕事をしていて安定収入があることが前提ですので、無職ですと申し込みができません。

ただし、銀行カードローンなら、配偶者に安定した収入がある専業主婦(夫)は配偶者貸付を利用して申し込むことができます。

無職だといくらまで借りられますか?

借入先によって借りられる金額は違ってきます。

たとえば生活福祉資金貸付制度の総合支援資金では、単身世帯で月に15万円、住宅入居費として40万円など用途によって金額が決められています。

生命保険の契約者貸付やゆうちょ銀行の自動貸付は、解約返戻金や定期貯金の金額によって借りられる金額が違います。

担保を元に借りる場合は、当然ですがその担保に見合った金額しか借りられません。

無職が利用できる公的支援制度はありますか?

無職の人が利用できる公的支援としては、以下のようなものがあります。

  • 生活福祉資金貸付制度の総合支援資金
  • 臨時特例つなぎ資金貸付
  • 求職者支援資金融資制度

それぞれ申し込める条件がありますので、総合支援資金・臨時特例つなぎ資金貸付は各市区町村の社会福祉協議会に相談にいってみてください。

求職者支援資金融資制度はハローワークでの手続きが必要です。

無職でお金を借りるなら公的支援を利用すると安心

無職でお金を借りる方法はいろいろとあります。その中でも安心なのは公的支援です。

働く意思があるのに仕事が見つからない、働けないという人のためにさまざまな支援を行っています。融資するだけでなく、仕事を見つけて生活をサポートするために支援もしてくれます。

無職ですと、カードローンなど貸金業者や金融機関の融資は利用できませんが、担保があればお金を借りることはできます。

担保の価値の範囲内ではあるものの、収入の審査などはありません。

ただ、今後のことを考えると、もし働ける状況であれば働いた方が良いでしょう。国の融資制度を利用しつつ、ハローワークの支援も受けながら少しずつ生活を立て直していける道筋を見つけてください。