Dilma_Rousseff_and_Jose_Mujica_2010

世界で最も貧しい大統領の衝撃的なスピーチとは?

ウルグアイの大統領ホセ・ムヒカは、世界で最も貧しい大統領として知られている。彼はその資産の80%を寄付し、個人資産は約18万円相当の1987年型フォルクスワーゲン・ビートルのみで、郊外の質素な住宅に暮らしている、稀有な指導者だ。

給与の大部分を財団や政府のプログラムなどに寄付し、月1000ドル強で生活する彼の姿は、世界中から関心を集めている。

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そして、昨年7月に開かれたリオ会議(Rio+20)でのムヒカ大統領のスピーチは多くの人々に衝撃を与えた。ウルグアイのような小国の代表のスピーチはもちろん後回しにされ、それに耳を傾ける人はほとんどいなかったが、彼はその場で経済の拡大を目指している現代社会に対して明確な警鐘をならしたことで、全世界へと広まった動画が、大きな話題を呼んだのだ。

以下はその動画だ。また、その下にはスピーチの日本語訳を掲載した。


(日本語訳)

この場所にいらっしゃる全ての政府、そしてその代表の方々に感謝申し上げます。また、リオ会議に招いていただいたブラジルのジルマ・ルセフ大統領にも感謝申し上げます。

これまで素晴らしいお話をされてきたプレゼンテーターの方々にも感謝申し上げます。国を代表する者として、人類にとって必要となる国家同士の話し合いをおこなう素直な志がこの場所で表現されていることと考えています。

しかし、私が抱いている厳しい疑問を述べさせて下さい。

今日の午後から、これまで議題となっていたことは持続可能な発展と世界の貧困を撲滅することでした。我々が真に抱いている問題とは、一体何なのでしょうか?現在の豊かな国々が辿ってきた発展と、その消費モデルを真似することでしょうか?

質問をさせてください:ドイツ人が一世帯で持つ車と同じ数の車をインド人が持てばこの惑星はどうなるのでしょうか?

呼吸をしていくための十分な酸素は残るでしょうか?。同じことを別の質問で言うならば、西洋の富かな社会がおこなっている“傲慢な”消費を世界の70から80億人もの人々がおこなうための至言は、この地球に存在するのでしょうか?それは本当に可能でしょうか?

あるいは、異なる議論が求められるのでしょうか?

なぜ我々は、このような社会をつくってしまったのでしょうか?

市場経済の子どもたち、資本主義の子どもたち、すなわち私たちが間違いなくこの無限ともいえる消費と発展を求める社会をつくり出してきたのです。市場経済が市場社会を生み出し、このグローバリゼーションが世界の果てまで資源を探し求める社会にしたのではないでしょうか。

私たちがグローバリゼーションをコントロールしていますか?あるいはグローバリゼーションが、私たちをコントロールしているのではないでしょうか?

これほどまでに残酷な競争によって成り立っている消費社会の中で、「みんなで世界を良くしていこう」という共存共栄な考え方はできるのでしょうか?どこまでが仲間でどこからがライバルなのですか?

このようなことを述べるのは、リオ会議の重要性を批判するためではありません。むしろ、その反対です。我々の前に立っている巨大な危機は環境問題ではないのです。それは、政治的な危機なのです。

現代においては、人類がつくりだしたこの大きな勢力をコントロールしきれていません。逆に、この消費社会によって人類はコントロールされているのです。私たちは発展するべく生まれてきたわけではありません。幸せになるため、この地球にやってきたのです。人生は短く、すぐ目の前を過ぎてしまいます。命よりも高価なものは存在しません。

常軌を逸した消費は世界を破壊しており、高価な商品やライフスタイルが人々の仁政を破滅させているのです。社会は消費という歯車によって回っており、我々はひたすらに早く、そして大量の消費を求められています。もしも消費がストップするならば経済が麻痺して、そうすれば不況の魔物が我々の前に現れるのです。

常軌を逸した消費を続けるには、商品の寿命を縮めて出来るかぎり多く売る必要があります。つまり、10万時間持つ電球をつくれるのに、1000時間しか持たない電球しか販売できない社会にいるのです。それほど長く持つ電球は、市場社会に良くないのでつくることはできないのです。人々がより働くため、そしてより販売するために「使い捨ての社会」を続ける必要があるのです。

悪循環にお気づきでしょうか?

これはまぎれも無く政治問題ですし、我々はこの問題を異なる解決方法によって世界を導く必要があるのです。石器時代に戻れとは言っていません。市場を再びコントロールする必要があると言っているのです。私の考えでは、これは政治問題なのです

昔の賢明な方々、エピクロス、セネカやアイマラ民族までこんなことを言っています。

「貧乏な人とは、少ししかモノを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」

この言葉は、私たちの議論にとって文化的なキーポイントだと思います。

国の代表者としてリオ会議の決議や会合にそういう気持ちで参加しています。私のスピーチの中には耳が痛くなるような言葉がけっこうあると思いますが、みなさんには水源危機と環境危機が問題源でないことを分かってほしいのです。

根本的な問題は私たちが実行した社会モデルなのです

そして、改めて見直さなければならないのは私たちの生活スタイルだということです。

私は環境資源に恵まれている小さな国の代表です。私の国には300万人ほどの国民しかいません。でも、世界でもっとも美味しい1300万頭の牛が私の国にはあります。ヤギも800万から1000万頭ほどいます。私の国は食べ物の輸出国です。こんな小さい国なのに領土の90%が資源豊富なのです。

私の同志である労働者たちは、8時間労働を成立させるために戦いました。そして今では、6時間労働を獲得した人もいます。しかしながら、6時間労働になった人たちは別の仕事もしており、結局は以前よりも長時間働いています。なぜか?バイク、車、などのリポ払いやローンを支払わないといけないのです。毎月2倍働き、ローンを払って行ったら、いつの間にか私のような老人になっているのです。私と同じく、幸福な人生が目の前を一瞬で過ぎてしまいます。

そして自らにこんな質問を投げかけます。

それが人類の運命なのか?

私の言っていることはとてもシンプルなものです。発展は幸福を阻害するものであってはいけないのです。発展は人類に幸福をもたらすものでなくてはなりません。愛情や人間関係、子どもを育てること、友達を持つこと、そして必要最低限のものを持つこと。これらをもたらすべきなのです。

幸福が私たちのもっとも大切なものだからです。環境のために戦うのであれば、人類の幸福こそが環境の一番大切な要素であるということを覚えておかなくてはなりません。

ありがとうございました。

Photo : es.wikipedia.org

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22件のコメントがあります

  1. これはちょっと無理あるでしょ。実際、今の社会だと資本主義で生きていくしかないし、彼の考えで国民が貧しい生活を強いられるのはヤダなあ。

  2. 私はこの考えを以前から考えていました。同じことを考えている人がいるなんてとても嬉しいです。消費する社会は限界を迎えつつあると思うのです。より良い生活を送ろうと人類は、発展 より:

    私はこの考えを以前から持っていました。同じことを考えている人がいるなんてとても嬉しいです。消費する社会は限界を迎えつつあると思うのです。より良い生活を送ろうと人類は、発展してきました。ですが、その影には地球に対する悪影響があり我々の生活を苦しめることになるということを忘れてはいけないと思います。

  3. 私はこの考えを以前から持っていました。同じことを考えている人がいるなんてとても嬉しいです。消費する社会は限界を迎えつつあると思うのです。より良い生活を送ろうと人類は、発展してきました。ですが、その影には地球に対する悪影響があり我々の生活を苦しめることになるということを忘れてはいけないと思います。

  4. 確かに読んでる分には かなり共感できるし、こんな国家の代表も世界にはいるんやな~って感心した! 確かにこの人の考え方は正しいと思う! けど人間が理性というものと本能との間に生きてる限り 幸せを求めるのは当然やし幸せ=豊かな社会やと考えるのが普通や! 金ないけど幸せ… 確かにそんな人もいるかわからんけど そんなん所詮 自己満な戯言や!
    ってことで 人間は ほんまに危機に瀕したときしか ウルグアイの大統領が言ってるような事はできないのです! 

      1. そのとおり。こういう考えが人々に広がること自体が、先進国の経済受益者にとって脅威なのです。

    1. 論点が違うと思いますよ。
      恐らくこの大統領は『これまで発展してきた国々の発展モデルが、大量消費を前提としたシステムの上に成り立っている』ということを再確認させたうえで、『数多くの貧しい国が同じような発展を追従すれば良いと思ってるんですか?』と疑問を投げかけているんだと思います。
      そして、豊かさ(=幸せ)の求め方がそうであってはいけない、ではどうすればよいか?それは政治の問題ですよね、と言って参加者に再考を促しているんだと思います。

  5. この大統領を尊敬します。言える時を得て、彼はきちんと表明した。たとえ、表明したにせよ、実際に世界を動かすパワーは彼にはない。けれど、信念を話したところが立派だ。政治をやる人は強い経済力を持つ人間のイエスマンに成り下がっている。(日本ではまた政治献金を認めるという社会的退化❗️)本当に民のことを思うこの大統領は、なんと美しい笑顔か。亡くなった後もきっと愛され続けるだろう。欲に凝り固まり憎まれる人生を選ぶ人もいるが。

  6. 経済復興すれば万々歳。株価が上がれば万々歳。
    でも、震災被害に会われてた方、仕事に就けない少数派の方の事など、眼中にない。 そして自分は、毎日高級料亭で税金や接待で贅沢三昧。それが、日本の政治家。

    一つだけ言えること すれば 世界平和 持続可能な社会ではないということ。

  7. まず10分の1でいいから、この人と同じ事をやってから この人を批評するべき 出来ないなら云々言うべきではない。

  8. 真実を言われると反発するものです…
    日本には残念ながら…
    真の政治家は存在していない事実を…
    思い知らされました。

  9. 色んな意見があると思います。でも、この大統領の笑顔を見れば生き方がわかると思います。世界の先進国の政治家の顔とは明らかに違うように思います。真似をすることはすべてではないけれど、この考えを取り入れる努力をする事は、決して間違いではありませんね。
    宇宙から見た思想ととの違いだと思ってしまいます。大統領素敵です!!

  10. 小国とはいえこういう人が大統領になれる国があるってことに、かすかな希望を感じる。

  11. この大統領素晴らしいと思う。こんな分別のある人ばっかりだったなら戦争とか間違った方向に行かないと思う。本当の幸せとは何なのか考えさせられる。金=幸せ見たいな世の中になってるけど、

    死んだらあの世に持ってけない。どんな生き方をしたか、どういう人達と人生を過ごしたかが大事なのかもしれない。価値観は色々だけど金=人生っていうのは違うような気がする。勿論生きていくのにお金は必要だけど。この大統領は建前だけでなく行動が伴ってるから立派。日本の政治家に見習ってもらいたい。

  12. この大統領の言う事は、真実だと思う。人は何の為に生きてるかを改めて認識しました。

    本当は、例外なく「幸せになる為」に生きてるのに、忘れてしまったり、目が曇ってしまう。

    出来ないというより、やらなきゃダメな事だと思う。

    そうしなければ、望まない結果になるのは間違いないよね。

  13. 皆に等しい幸せを与えたい
    分かち合いたい
    元左翼ゲリラだったそうですがその理想を思想に偏らず実現しようとするなら、精神的幸せが重要となるのですね
    私は競争社会に一石を投じる正論だと考えます
    納得いかない方は大病を経験、或いは歳を重ねてからでないと消化出来ないかもです
    この世はきっと素晴らしい
    一瞬の人生の中で其れに気付く頃には時間があまり残されていない
    だからこそ若く健康な愛すべき地球の後輩諸君に投げ掛けてくれている気がします
    当然私も含めてね
    私はこのスピーチを大切にしたいと感じました

  14. 死んでまた生まれ変わっても、
    また今と同じ人生を歩みたい!て思えるような人生を歩みたいですね。
    私は間違いなく、今の娘の母親にまたなりたいです!