石田 健

石田 健

株式会社マイナースタジオ代表取締役CEO。1989年生まれ、早稲田大学政治学研究科修士課程修了(政治学)。 株式会社マイナースタジオを創業後に、同社を株式会社メンバーズ(東証二部)に売却。Twitter : @ishiken_bot

あなたがもしテック業界の人間ならば、ドローン(無人航空機)の未来に心躍らせているだろう。しかしそれは、考古学の専門家たちにとっても同様の変化であるようだ。

ドローンやレーザー、データ解析といった最新のテクノロジーは、考古学業界に新たな変化をもたらしつつある。

ローマ時代の地中遺跡、3Dで再現

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Photo : www.7reasons.net

これまで考古学者たちは、土を掘りながらその奥深くに眠る遺跡の全貌を明らかにしてきた。しかし、ポルトガル南部に位置するアマイア遺跡の復元は、”非接触型”、つまり遺跡に触れることがないままの調査に基づいて行われた。

レーザーや地中レーダー、そしてドローンによる空撮によって可能になった非接触型の調査は、発掘の過程で遺跡を破壊したり、発掘後の環境によって 悪影響が及ぶことを防ぐことができる。

アマイアのように、自然保護区内にあり発掘が許可されない場所でも、こうした方法は有益になる。この調査によって完成したのが、以下の復元動画だ。

アマイア遺跡とは?

研究によれば、アマイア遺跡はローマ帝国の初代皇帝アウグストゥスの頃には誕生しており、ローマ帝国第4代皇帝クラウディウス治世下の1世紀を中心に栄えたとみられている。最盛期には2000人が暮らしており、道路を通じて天然資源を輸送していたと考えられている。

しかし4世紀から人が減り始めた街は、中世には衰退が続き、イベリア半島がアラブから支配を受けた頃には、完全に放棄された。

欧州からも注目のプロジェクト

アマイア遺跡を非接触型調査するプロジェクトは、ポルトガルのエヴォラ大学を中心として2007年より開始された。この遺跡を調査して記録するためのサイトは、欧州の資金援助プロジェクトにも選ばれており、この新たな方法による考古学的調査の行方に注目が集まっている。

もちろん、実際に遺跡から遺物を取り出したり、実際の発掘調査によってのみ分かる事実も多くある。しかし、多くの街が遺跡の上に立ち並んでいるヨーロッパなどでは、非接触型調査は高い威力を発揮する。未来の考古学では、こうした技術がより一般化していくだろうし、考古学者の定義も広がっていくかもしれないのだ。

Photo : www.youtube.com