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安倍政権、在独日本総領事を通じて外国人記者に圧力?:ドイツ紙特派員の告白が話題に

ドイツの日刊紙「フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング」の東京特派員であったCarsten Germis氏の離任記事が話題になっている。

同氏は、2010年1月に東京へ着任してきて以来、日本がエリートとメディアの関係を含めて、歴史修正主義的な傾向を持つ安倍政権によって明確な転換を迎えたと指摘。

安倍政権の姿勢を報じたGermis氏に対して、在フランクフルト日本総領事や外務省が、さまざまな “圧力” をかけてきた具体的なエピソードも語られるなど、同政権とメディアの関係などに示唆的な内容となっている。

日本は大きく変化した

Germis氏の記事は、2010年に同氏が着任して以来、日本が大きく変化したという指摘から始まる。中でも最近の1年間に生じた出来事は、彼の仕事に大きな影響を与えたという。

同氏は、日本のエリートと外国人メディア・記者の間に非常に大きな認識の乖離があり、海外メディアからの批判的論調を日本のエリートが受け入れられないのであれば、それは大きな問題を生むことになるだろう、と懸念する。

メルケル首相は “友情” を示していない?

ドイツ・メルケル首相の訪問に際して日本経済新聞は、同首相が、安倍首相の歴史認識や日本の原発に対する姿勢に批判的で、”友情” を示すことがなかったと報じた。

しかしこれについてGermis氏は、友情とは「単に同意することなのだろうか?」と問いかけ、友人が誤った方向に向かう時に、それを批判することは友情ではないのか?と述べる。

同氏は、5年にわたる東京への特派員経験から、日本に対する友情、親愛の念は深まったという。しかし一方で、一部の日本のエリートやメディアは、同氏について、単に日本への友情を欠いて批判ばかりする外国人記者だと認識している、と指摘。

こうした認識の乖離が大きな懸念になる可能性があることを示唆している。

2012年の選挙後、事態が一変

Germis氏によれば、民主党政権期における政治家は、外国メディアに対して、日本の政策を説明することに懸命だったという。報道陣も、委縮することなく政府の政策を批判したが、政治家もまた、懸命に彼らの政策を説明していた。

しかし、2012年に安倍政権が勝利を収めて以降、事態は一変した。安倍首相は、Facebookなどの新しいツールによって発信を強化したように見えるが、一方で日本が抱える巨額な政府債務について語ることは減っていったという。

安倍政権の閣僚から、エネルギー政策、アベノミクスが抱えるリスク、憲法改正など、記者の質問に明確な答えが得られることは無くなっていったそうだ。

外務省からの攻撃

そしてついに、5年前には考えられなかった、外務省からの攻撃(attacks)もはじまった。Germis氏による、安倍政権の歴史修正主義に関する記事が報道された後、フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング紙編集長のもとに、在フランクフルト日本総領事が訪れたというのだ。

総領事は東京からの抗議を伝えた上で、こうした記事の内容が「中国によるプロパガンダ」に利用されていると述べたそうだ。

記者や新聞社を侮辱

Germis氏による強い憤りはつづく。同紙編集長が、領事に対して記事の内容が誤報である事実の提示を求めたところ、総領事は「金が絡んでいるのでは?」とまで述べて、同氏や編集長、そして新聞社を侮辱(insulting )したというのだ。

また総領事は、ビザ取得のために中国のプロパガンダを書かざるを得ないのだろう、と哀悼の意すら示したのだという。こうした驚くべき姿勢に、フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング紙が屈することはなく、むしろその批判的な論調は強まった。

強まる高圧的態度

しかしGermis氏によれば、ここ数年で高圧的な態度は強まっている。2014年になると、外務省は明らかに安倍政権に対する批判記事を攻撃しはじめ、「歴史の歪曲」や安倍政権の国粋主義的な立場によって「東アジアのみならず世界から日本は孤立する」といった表現に対して抗議がはじまったという。

ほかにも同氏が、中国から賄賂を受け取っているという領事のコメントについて正式に抗議した際には、「誤解だ」という回答のみがくるなど、外務省からの姿勢は厳しいものになる一方のようだ。

とはいえ…

記事では他にも、政権が外国メディアの記者たちを高待遇で接待しようとするものの、結局それは逆効果でしかないこと、慰安婦問題に際しても、政府から「説明」があったことなどが述べられている。

とはいえ、Germis氏は日本における報道の自由が脅かされているとは考えていない。日本は、特派員にとっては素晴らしい国であり、依然として世界有数の豊かな、開かれた国だと締めくくる。

同氏は、「調和が、抑圧や無知から来るべきではないと信じている。真にオープンで、健全な民主主義こそが、5年間過ごした私の素晴らしい故郷にとっての、大きな目標だろう」と語っている。

この記事は、普段なかなか見ることができない外国人記者からのストレートな視点、そして安倍政権による外国メディアに対する具体的な姿勢を記した記事として、すでに大きな注目を集めている。興味のある方は、ぜひ原文を参照していただきたい。

記事本文:On My Watch | Foreign Correspondents’ Club of Japan.

Photo : www.stuttgarter-zeitung.de

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Kosuke Yamakawa

Kosuke Yamakawa

日本や世界の震えるニュースをお伝えしています。

23件のコメントがあります

  1. ツイッターのほうでもコメントさせていただきましたが、少し前にまとめた意訳あふれる拙訳との”偶然の一致”が大変多いことを懸念いたしております。引用・転載にもそれなりのルールがあるのではないかと考えますが。http://togetter.com/li/806460

  2. 国家は組織であり
    国民は文化である
    この違いを認識しないと
    とんだ勘違いをしてしまうことになる

  3. 記者が全く偏ってねつ造もしない客観的な報道をする存在でもないわけで。
    記者が偏ったと仮定して、それを指摘した場合に記者がそれを歴史修正だなんだと批判する事が正しいと言えるのか?
    ジャーナリズムが正義でもないと言う事を認識しなければ、世の中正しく見られないと思う。

  4. やはり「歴史修正主義」って言葉を使っている奴はろくなのがいないな

  5. 日本の歴史教育の質は残念ながらお粗末なもので、記者の言う「日本のエリート」のレベルはそれを反映してしまっている。高校までの歴史教育は現在でも高度経済成長期的な詰め込み教育が残っており、そのレベルでは正しい数字やら出来事やらを記憶するのが歴史だという勘違いが再生産されている。
    大学はさすがにまともなので、たとえば食い違う記述のある歴史資料二つを比較して解釈の多様性を吟味するなど、国際社会で通用する歴史検証手法を学ぶ。欧米だと(あと最近では一部のアジア諸国でも?)高校でもこのレベルの教育をしているようだ。しかしながら政治や行政にいく人々は法学部か経済学部なので大学レベルの歴史教育を知らずに実社会に出て行くことになり、結局、そうしたレベルの議論についていけない。厳しい状況だと感じる。

  6. 自分らの行い「委縮することのない批判」「批判的な論調」
    自分らへの行い「攻撃」「圧力」

    なるほど言葉のプロでいらっしゃるw 

  7. どうもドイツ人てやつは、いつでも自分たちが正しいと思ってて、
    発言はいつでもそういう姿勢から発せられるので、偏りがちになる。
    信条がさきにあるので、その枠から出られない。
    この方といい古賀某といいどうして影響力もないザコに政府が圧力をかけると思うのだろう?

  8. FAZとNZZでのGermis氏の記事は主観的政治的過ぎて客観性に欠け、自分の主張に都合のいい事実と数字だけをピックアップして都合の悪いものは隠すような論旨の進め方で、言葉のプロによるものとも解釈できるのかもしれませんが、情報源としては使えませんでした。
    ただ単に、こういうことを考えている人がいる、という情報が得られるだけ。

    そろそろ引退すべきだと思います。

  9.  外務省がいいかげんな事をしていることをたくさん聞いているので、この記者の記事のほうが信頼できますね。
     安倍晋三がバカなのは世間に知れ渡っていますが、政府、役人がともかくひどいというのがよくわかります。

  10. この新聞社の記者って昔、日本でスパイ活動やっていたんだよね
    ゾルゲ事件という・・・
    まあ、彼と違って五体満足で帰国できる今の日本に感謝すべきだわ、この人は

  11. フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥングですかw
    ゾルゲ事件で日本や西側諸国にとんでもない被害与えた歴史を
    未来永劫大事にしてくださいねw

  12. こいつの理屈からいうと、ドイツはギリシャに賠償を払うのは正しい事なんだな(笑)

  13. >>安倍晋三がバカなのは世間に知れ渡っていますが、政府、役人がともかくひどいというのがよくわかります。

    安倍晋三がバカなのは(左巻きの脳みそお花畑の)世間に知れ渡っていますが、政府、役人がともかく(左翼思想の自分らにとって)ひどいというのがよくわかります。 
    の間違いだから訂正しておきました。
    左巻きはどうして自分のいう事こそ全てなのかねぇ?
    一般的には安部首相がどうだこうだなんて考えてる奴のほうが圧倒的に少ないです。
    世論操作ばかりだわ。左巻き。

  14. 憂慮すべき日本の現状さま、
    欧州の高校では歴史の根本的な研究法はとくに教えていません。ドイツ語圏のギムナジウムでは、理科系、古語系、現代外国語形、経済系があるだけです。
    歴史専攻の方法論はBAの課程で習いますので、自分の経験では別に日本より優れていると思えません。
    ちなみにGermisは大学中退、レーレLehreでジャーナリストになったAnti Academicタイプです。
    彼は歴史研究の経験がなく、日本についても素人ですけど。

  15. 安倍名宰相に手向かう者は全員滅ぼせ!サヨク個人主義を否定し、生活時間の全てを愛国活動に!賃金の6割は国債に!

  16. 我が党と我が人民の偉大なる領導者、安倍晋三首相閣下を誹謗するとはけしからん!
    このような記者には断固として無慈悲な鉄槌を下さなくてはならない!

  17. いつの頃からか、安倍内閣を批判する、あるいは反対意見を述べる者は、”アカ” “朝日新聞” “国賊” “反日” でない一括り。
    これらの人達と論理的な意見交換をする事は、不可能です。
    「便所や塀の落書き」レベルなものばかり。
    右派の連中の”非論理性”に失望。