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ISISは、アメリカの同盟諸国に住む富裕層から資金提供を受けている

イラク北部を支配下に置いている「イラクとシリアのイスラム国(ISIS)」が29日、「カリフ(預言者ムハンマドの後継者)」を指導者に掲げるイスラム国家の樹立を宣言した。彼らは、過激な武力活動とテロ行為で知られているが、その豊富な資金についても注目を集めている。彼らは銀行や石油施設などの奪取によって資金を得ているが、Business Insiderによれば彼らの資金源はそれだけではない。

資金源の多角化

ISISはおよそ20億ドルとも言われる豊富な資金を持っている。その多くは、彼らが2012年から制圧しているシリア東部の石油関連施設から得た売り上げだが、イラク北部の都市モスルを制圧してからはそれ以外の収入も増えた。モスルの銀行から略奪、武器・車両などの鹵獲が含まれており、例えばモスルにある中央銀行からの現金強奪では4億2500万ドルを奪ったと言われている。

こうした犯罪以外にも、彼らにとって大きな資金源となっているのは富裕層からの寄付だ。Business Insiderの記事では、クウェートやカタールなどアメリカとも同盟などを通じた深い関係を誇っている湾岸諸国の名前が挙げられ、各国のスンニ派系の富裕層から資金提供を受けていることが述べられるとともに、こうした国々の中にはサウジアラビアも含まれる可能性もあることが指摘されている。これによってISISの資金力が、ナウルやトンガ、マーシャル諸島よりも豊富になっていることが付け加えられている。

マリキ首相も非難

こうした資金の動きはもはや公然のことであり、イラクのマリキ首相は、これらの資金が武器の購入などテロリストの支援に繫がっているとして、サウジアラビアとカタールを強く非難している。 また、クウェートにおけるISISの支援者も、何億ドルにも及ぶ資金をシリアの反政府勢力に提供しており、こうした資金はトルコやヨルダンなどを経由しながらISISをはじめとしたテロ組織へと流れている。

ISISへの大規模な資金流入は、大規模な国際テロを引き起こす可能性を高めることになる。彼らがアルカイダよりも危険な存在であることは既に指摘されているが、ISISによってイスラム国家樹立が宣言されたことで、こうしたテロ組織の構造に大きな変化が生じる可能性もある。2001年のアメリカ同時多発テロから10年以上が経過し、再び国際情勢は大きな転換期を迎える可能性があるのだ。

Photo : www.mrconservative.com

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KEN ISHIDA

KEN ISHIDA

本誌編集長。1989年生まれ、早稲田大学文学部で歴史学を専攻した後に、同大政治学研究科修士課程修了(政治学)。 本誌を運営する株式会社アトコレの代表取締役CEO。専門は国際関係史や日本近現代史だが、本誌ではテクノロジーや経済から国際情勢まで幅広く担当している。MUSEY編集長。 Facebook : Ken Ishida / Google+ : Google / Twitter : @ishiken_bot