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“デフォルト”とは何か?:アメリカ史上初の悪夢はあり得なくはない

本誌で度々お伝えしている、アメリカのデフォルト危機。これはアメリカではもちろん、基軸通貨国では史上初となる悪夢であることはこれまで述べてきたとおりだが、具体的にはどのようなことが起こるのだろうか?

デフォルトとは何か?

デフォルト債務不履行)とは、債券発行者(今回の場合は「米連邦政府」)が破綻するなどの原因により、元本や利払いの支払いを遅延したり、停止することだ。米政府は現在、1ドルの支出に対して0.7ドルの税収となっていることから、国家を維持するためには借り入れが欠かせない。ところが、政府の債務については上限が決まっており、それは議会の承認によっておこなわれる。

今回問題となっているのは、オバマの提案する医療保険制度改革(オバマケア)に対して、野党共和党が急進派ティーパーティーを中心として、強固な反対を続けているからだ。彼らは、オバマケアが政府の支出を拡大するとして、この撤回がない限り、債務上限引き上げの引き上げには合意しないとしている。

(ただし、デフォルトの定義はそれほど明確でもない。一般的には、「国の返済が滞った瞬間」だと言われ、オバマ政権も、公的医療保険向けの支払いなどのいかなる支払いが滞ったとしてもデフォルトだとしている。)

デフォルトの期日

具体的な日付はわかっていない。しかし、その(最初の)タイムリミットは10月17日だと言われている。この日を境に、米政府の持つキャッシュが一気に減るからだ。これまで、政府は債務上限に達しないように策を打ってきたが、17日以降にはいくつもの支払いが残っているにもかかわらず、政府は新たな借入が不可能となれば、税収などの今後の限られた収入と手持ちのキャッシュでの支払いを余儀なくされる。

17日以降はどうなる?

議会予算局(CBO)によると、22日から月末にかけて一部の支払いが滞り始めるという。もっとも大きな節目は、10月23日にやってくる120億ドルにおよび社会保障関連の支払いだ。17日が過ぎたとしても、翌日の税収の規模が正確には把握できないことから、具体的な期日はわからないが、この周辺には支払期限がいくつか迫っており、この期間に問題が表面化することが予想されている。

政府に課せられた債務の支払いは、10月17日、24日、31日と続いていくが、24日以降の支払いについては不透明だ。

市場や経済への影響

世界最大の債務国によるデフォルトは、前例がないことから予想することは難しい。しかしながら、世界の株式市場が影響を受けることは確実で、ドル相場は急落し、金融マーケットを中心として壊滅的な打撃を受けるといわれる。

国債保有者への支払いが長期にわたって滞り、政府の支払い遅延が続けば、市場は景観感を強めるとともに、パニックが生じるだろう。具体的に言うと、リーマン・ショックから5カ月で、アメリカの株式相場はほぼ半値にまで下落した。当時、大恐慌以来最悪の景気後退へと陥ったアメリカは、失業率が30年ぶりに10%にまで上昇し、世界経済への強い影響を与えた。今回、デフォルトが生じれば2008年に経験したことよりもさらに酷い事態が起きることが予測されている。

デフォルトの回避策はあるか?

回避策の裏ワザとして「合衆国憲法修正14条」がある。これは、第4節に示された「公共負債の有効性」という条項であり、以下のようになっている。

法によって認められたアメリカ合衆国の公共負債の有効性について、暴動や反乱の鎮圧に従事した者に対する恩給や補助金の支払いに要する負債を含め、問題にされることはない。

ただし、アメリカ合衆国も如何なる州も、アメリカ合衆国に対する暴動や反乱の援助に要した負債や損害賠償、あるいは奴隷の損失または解放に対する補償要求にたいして支払義務は無い。そのような負債、損害賠償および補償要求は違法であり無効である。

これは、映画『リンカーン』でも話題となった部分であるが、この前段を適用することで、債務上限に関係なく財務省証券を発行し続けることが可能なのではないかと言われる。しかし、憲法解釈によってデフォルトを回避することに対しては否定的な意見が強く、オバマ大統領も反対している。

そうであるならば、もはや回避策は与野党による協議が成立すること以外に道はないのである。

編集部注:これまでの経過は、以下の特集ページから見ることが出来る。

特集:2013年アメリカ危機

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