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なぜ“裕福”なイギリスで、貧困が蔓延しているのか?

わたしたちは、先日アメリカの抱える様々な問題について記事をお送りしたが、こうした問題はもはや一国だけの問題ではない。イギリスでは、子どもの間で貧困が増加しており、ガーディアン紙をはじめとした数多くのメディアが悪化する現状を報じている。

それによると、イギリス国家統計局は同国において相対的な貧困状態にある子どもは、1969年から現在にかけて150万人まで増加しており、現在100万人の子供が貧困を原因として空腹のままに学校へ投稿しているという。また、財政研究所(The Institute For Fiscal Studies)は、2020年までに4人に1人が相対的貧困に陥る可能性があるという衝撃的な警告を発している。

この背景には、2010年4月に導入されたイギリスの税制及び給付改革があるとしており、2010年から10年間の間で子供の貧困率は6%ほどの上昇が予想されるという。

進む貧困家庭の支援

実際に、イギリスの福祉施設は、貧困家庭の子供への支援を拡大させているという。キャメロン首相に言わせると、「イギリスは世界で6番目に裕福な国」だが、そうした国においても相対的貧困が見逃せないレベルへと達している。

最近では、イギリスのイスラム教徒が、貧困支援の活動を始めたことなどが大きく報じられており、イングランド北西部の町ブラックバーンでは、街の5人に1人が貧困線以下で生活しており、食料品の寄付などが進んでいるという。

なぜ貧困が蔓延?

しかし、世界で最も裕福な国の1つであるイギリスで、なぜ貧困が蔓延しているのだろうか?大きな理由の1つは、前述した2010年における一連の改革だ。デーヴィッド・キャメロン率いる保守党へと政権交代して以降、財政を立て直すため児童手当の凍結、教育手当て、妊婦給付などの廃止などの社会福祉が大幅にカットされた。

生活保護については、日本でも賛否両論が激しいが、イギリスでも同様だ。今年4月にはキャメロンが同国の生活保護制度を「本来の道を外れ、ライフスタイルにおける選択肢の1つと化している」として批判。各種公的手当の削減・打ち切り政策を擁護した。

保守党と自由民主党の連立政権は、今年に入ってイギリスの財政悪化を反映した、大規模な福祉改革を進めてきた。キャメロンは、この問題に対して断固たる姿勢を見せている。真面目に働いている人たちよりも生活保護受給者が、多くの収入を受け取る状態を「狂っている」と述べた上で、「生活保護制度は貧困から人々を救うために設けられたが、今では制度に頼る人が多すぎる。当面の困窮期をしのぐ目的だったのに、今ではライフスタイルの選択肢として利用している人たちがいる。英国民が一致団結できるよう設けられた制度が、憎しみを生み出している」と述べている

当時の世論調査では、有権者の60%以上が制度に問題があると考えており、70%以上がキャメロンの政策を支持した。しかし、こうした政策によってセーフティーネットからこぼれ落ちる人々が存在することもまだ事実。今後、イギリス政府は貧困への対策を迫られることになるが、こうした問題は決して日本とも無縁ではないだろう。

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