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ムガベ大統領が改めて欧州と同性愛を批判―ジンバブエ独立記念日を迎えて

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先日4月18日、ジンバブエ共和国は独立から34年を迎えた。ロバート・ムガベ大統領は独立の記念日に際して首都ハラレで演説を行い、改めて欧州と同性愛を批判した。

ムガベ大統領の反白人思想

ジンバブエはアフリカ南部に位置する内陸国だ。かつてはイギリスの植民地だったが、第二次世界大戦が終わると、世界的な脱植民地化の流れを受けて、1960年代より独立運動が展開された。ローデシア紛争を経て、1980年に独立が達成されると、ムガベが初代首相に就任。それ以来34年間、ずっと権力の座についている。

大統領就任当初は、白人と黒人の融和政策を推進し、順調な経済成長と高い教育レベルを達成するなど、その手腕が絶賛されていたが、2000年代になると白人に対して不寛容な政策をとるようになる。白人農場の強制収容などを行った結果、経済を牽引していた白人が国外に流出し、経済が停滞。さらに欧米各国から経済制裁を受けることにもなった。これらに加えてデノミネーションや高額面紙幣の発行にも取り組んだことで、ジンバブエ通貨は信用を失い、ハイパー・インフレを起こしてもいる。それでも彼は、演説中に「ヨーロッパはすでに活力と優位性をもっていない」と何度も述べ、従来通りの欧州批判を繰り返した。

同性愛も嫌悪

また、ムガベ大統領は同性愛も嫌悪しており、ジンバブエでは同性間での性交渉が違法とされている。この日の演説でも、大統領は同性愛をナンセンスであるとしたうえで、「ヨーロッパは、自然なもの(注:反同性愛)を不自然であると言い、不自然なもの(注:同性愛)を自然であると主張する。他のアフリカの国々に対しても、同性愛を否定する法律を成立させたら、ウガンダやジンバブエのように制裁を受けることになると脅している」と話した。(関連記事:北欧諸国がウガンダへの開発援助を停止へ―反同性愛法成立を受けて

ムガベ大統領は、過去には「同性愛は人間の品位を損なうものであり、同性愛者どもがブタやイヌより汚らわしいものとして拒絶されることに疑問の余地は無い」と述べたこともあり、同国での性的少数者への迫害は続いている。こういった経緯から、弊誌が以前に紹介した、「国境なき記者団」作成の報道の自由がない世界を痛烈に皮肉った40秒の動画の中でも、ムガベ大統領は北朝鮮の金正男第一書記やシリアのアサド大統領らとともに、権威主義的な政治を行う人物であるとしてやり玉に挙がっている。

なお、ムガベ大統領は今年の2月に90歳の誕生日を迎えたが、身体は健康で、この日のスピーチは90分間続いたという。

 

(本記事に関するトピックについて、より詳細な調査・分析を希望される場合はこちらよりご連絡ください。)

Photo: 3.bp.blogspot.com

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SHUTA AKABANE

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赤羽秀太 | The New Classic 副編集長。Google+ : Google